「指名料とるけどいい?」



「いいよ!すぐに連れて来て?赤松伊織くん」




や……やっぱり……。




松本さんがそう言うと、男の子のうちひとりが席をたった。




「松本さんっ……そんな、あたし……」




困惑気味のあたしを見て、一喝。




「うるさい!」




……は……はい、すみませんでした……。











松本さんは、「あたしが伊織くんに会いたいの!」って言ってたけど……どうなんだろう。



なんだかよくわかんないけど、あたしは横を向いて、今となりに座ってる男の子と喋ってようかな……。



怖気づいて、今にも席を立ってしまいそうな自分にそう言い聞かせる。




……どういう顔して会えばいいんだろう。




今まで毎日顔を突き合わせてきたくせに、




こんなちょっと顔を合わせてないだけで、伊織との接し方がわからないなんて……あたしも、どうかしてる。