「それって…伊織も、いるの?」


「…気になる?」


上月くんは、なにか言いたげにニヤニヤと笑ってる。


「別に…。伊織がやったら、ホントインチキくさいなーって思って」



あの軟派な顔で、スーツ着て髪を整えたら…


めちゃくちゃそれっぽくなりそう…。




 
「自分の目で確かめにくれば?」


上月くんはシレッとしたまま、そんなことを言う。


「……あたし、最近ずっと伊織と話してないんだよね。だから、行きづらいかな…」


「だったら、なおさら」


「…え?」


「ホストはどんなお客にでも、ちゃんと尽くすよ。だってそれは、営業だから」


「営業……」


「客のフリして、伊織の様子を確かめてくれば?…気になんだろ、アイツのこと」


「別にあたしは……」


「お前らずっと一緒だったのにさ、最近あのバカなやり取りが見れなくなって、俺も寂しいから」



…上月くん?