「だって…海に落ちたんでしょ?」



あぁ……そのことね。



上月くんとのことか、伊織がお風呂でのぼせたことか、朝野くんに抱き抱えられて戻ったことか…



それのどれでもなかったんだ?



ホッとしたような、だけどまたその話題を蒸しかえされそうで、あたしの胸はドキドキし始める。









「そうなの…あたし、泳げなくて……」



「だけど、助けてくれてよかったね……朝野くんって勇気あるよねぇ~…結構、男らしいんだ?」



「う…ん、そうだね。溺れたときのこと、あんまり覚えてないんだけど……ホント最悪。まさか海に落ちるなんて」



「えっ、覚えてないの!?」



これには松本さんも、ビックリ。



……だよねぇ、溺れたショックで意識飛んでましたって…ホントお粗末……。