「え…と、それは…」


「もう…いいだろ。彩花もさっきので体力消耗してるから…」


朝野くんはあたしを庇うようにして、女子から遠ざける。


「あたしたち、お邪魔だね。出発までまだ時間あるし、ふたりで仲良くね~」


みんな、ニヤニヤしながらこの場を去っていく。



「もぉ…誤解された…」



あたしが呟くと、朝野くんは急にしょんぼりと肩を落とす。



「俺と…噂になるのは嫌?」



「そういうわけじゃ……」



「ずっと待とうと思ってたけど…俺、やっぱ待てない。

彩花を…俺だけの物にするには、どうしたらいい?」



ドキーッ!!



こんなセリフ、初めて言われた。



ううん、伊織には言われたような気がするけど、アイツのとは全然違う。



胸がドキドキしてて…かなりヤバい感じ。



あたしの顔が赤いのに気づいた朝野くんが、そっとあたしの肩に触れる。



キャッ!
 


緊張する……。