「そ…そうだけど、だけどさすがにこんなこと…」


「いーんだよ。彩花だって、俺に助けられたからって嬉しくないだろーし。

先生たちにバレないよーにな。適当に頭も水で濡らしとけよ」


そう言ってる間にも、太陽の熱で俺の頭は乾きはじめていて、その必要はなさそうな気がした。



「赤松くん…」


「なんだよ」


今まで姑息な手を使ったくせに、今さら戸惑った様子を見せてくる。


「ありがとう…俺、遠慮しないよ。赤松くんは、自分から手放したんだからね。

後で文句言っても…知らないから」


やっぱり、コイツ…見た目に反して、肝座ってんな。


俺から彩花を奪おうとしただけあるよな…。


やっぱ、セコイヤツ。


朝野は、水で滴っている俺のジャージを履き、カモフラージュのために濡れていないシャツを脱いで、上半身裸になる。


ジャージの上は、今は彩花にかぶせてるから、そのままで…。