俺の頭の中は……どうかしてる。



昨日彩花にあんなヒドいことを言って、辛そうな顔にさせたのに……



俺の頭に浮かぶのは、笑顔の彩花で。



今朝だって、また俺に普通に話しかけてきた彩花。



あのとき普通に返しておけば、



俺たちまた元通りになれたのかな……。











……いや、そうじゃないんだって。




だから……




そうだから、また同じことを繰り返す……。



俺は自分に喝を入れなおし、パタンと雑誌を閉じた。




「おい、上月……帰るぞ」