アイツは天然だから……って言葉で、自分を誤魔化してきた。




天然だから、きっと俺の魅力に気づかない……って。




だけどさ…真実は、そうじゃない。




彩花は……最初っから、俺を男として見てねーんだもんな。




ヒマなときにちょうど相手になってくれる、体のいい友達。




……ひどけりゃ、兄貴、弟?




そんな、感覚。









家族が……



彼氏になれるわけねーじゃん。




俺の中では……



彩花は家族になったことなんて、一度もなかった。



ずっと、俺だけがドキドキしていて……



男が近づく度に、ハラハラしてた……。