今こうやって思い返してみれば、もっと他にやることがあったよなって思うけど、




実は、きっと……なにをやってもムダだった。




だってさ…




赤ん坊の頃から一緒にいて、




お互い、男も女もなく育ってきて。




俺が彩花を女だって意識した頃には……彩花は、俺なんて眼中になかった。











俺が彩花の背を追い越しても、




俺の方が力が強くなって、彩花を守れるようになっても、




どんなに周りの女がキャーキャー言って俺をもてはやしても……




彩花を見てるのは、いつも俺の方だった。