幼なじみと付き合った場合。

「なんかね…あのふたり見てると、すごく辛くなる……。あたしのホントのお父さんと知り合う前から好き合ってて…

結局、また結婚するって…どうなの?なんか、あたしの存在が否定されてる気がして……すごく腹がたつ……」



「そんなこと思ってるの?それはないよ」



「だってそうでしょ?そんなことなら、最初からお父さんと結婚しなきゃよかったのに……だったらあたしだって、産まれてこなかった……。

越野さんが、お母さんの話を聞いて参考にしようと思ったんだとしたら、それ間違ってるから。

そんなの…絶対に、いいわけない……」


――バキッ!!



ええっ、なんの音!?



ビックリしてとなりを見ると、松本さんが手に持っていた割り箸を、両手で折ったところだった。








前に松本さんのお母さんが、松本さんが暴れて手がつけられなくなるときがあ
るって言ってたのを思いだす。



なんだか松本さんの目が、少し虚ろに見える。