幼なじみと付き合った場合。

「まだ…わかんないの。だから、一度伊織と別れて…このどっちつかずの気持ちがハッキリするといいなと思って」



「越野さん…余裕だなぁ。伊織くんが自分を好きって思ってくれてることが前提なんだ?」



「そうじゃないよ……」



「そっか…。なんでも、後悔したときには遅いんだよ?伊織くんみたいな人……どこにもいないんだから」










……せっかく伊織と別れてスッキリしたと思ったら、松本さんにこんな風に言われて板挟みみたくなってくる。



確かに伊織は学校でも目立つ存在だし、



明るいし一緒にいて楽しいときもあれば、本気でムカつくこともある。



ある意味特異な存在だとは思うけど……



それが、恋愛につながるかっていうと…今のあたしには、ピンとこないっていうか。



好きは好きなんだけど、それがどういう好きなのか……今はまだ、ハッキリしない。