「その人が言ってたんだけど…幼なじみと付き合うと、近すぎて見えないものもあるんだって……。

それでね、あたし…考えたの」



ない脳みそで?ツッコミそーになったけど、とりあえず黙って聞いてみる。



「いったん別れて、それからもっとお互いの必要性を確かめるていうか。

その人はね、一度他の人と結婚したんだけど、やっぱり別れて、本当に必要な人が誰かってことに気付いたんだって。

想い合ってて、数年を経て……今、やっと一緒になったんだって」



……はぁ?



なんだ、それ。



いかにも美談みたく語ってる彩花がかなりウザい。











だから俺とも別れるってか?



しかもそんな、たったひとりの経験を聞いただけで?




これだから、頭の悪い女は困るよなー……。




「で、なに?お前は俺とそうなりたいってこと?」