「今の主人とは、小さい頃からずっと仲がよくて……。

高校生の頃かな？向こうから付き合ってって言われて付き合ったんだけど、まさに今の彩花ちゃんと同じ気持ちだった」



「そっ……そうなんですか!?」



「そうなのよ～。でも結局、大学時代に、私が他の男の人を好きになって……別れたの。

そのとき知り合ったのが、あの子の本当の父親。

だけどあんまりうまくいかなくて…もう10年も前に別れて」



へぇー……そうだったんだ……。



松本さんは、そんなに小さい頃からお父さんがいなかったんだ……。













「だけど、別れてもまだ、私のことを支えてくれてたのが、今の主人……。

あの子とも、小さい頃から一緒にいるから…もう、本当のお父さんみたいに慕ってくれてもいいのにって思うんだけど、なかなかそうはいかないみたいで」



松本さんのお母さんは悲しそうな表情を見せると、力なく微笑む。