「彩花ちゃんの家では、きっといつものことなんでしょう?」



「えっ、そうでもないです!!ささっとすませたいからって言って、お母さんはあたしと一緒に買いものには行かないし、

ご飯も…あたしは食べてお母さんはお父さんのおつまみ作ってたりとか、バラバラですよ~」



「えーっ、そうなの?そうなんだぁ……他の家はみんなそうなんだって、勝手にイメージしてたわ。フフフ」



松本さんのお母さんがクスクス笑うと、なんだかあたしも楽しくなってくる。




「それに…ウチでは、お母さんと好きな人の話をしたり、家に連れてきたりとか…ないなぁー」



まぁ、伊織の場合は勝手に来てるっていうか。



もし他の人と付き合ってたら、お母さんがいる日に、わざわざ家に呼んだりしないと思う。









「そうなのー…じゃあウチはまだ話してくれてる方なのかしら?」



「そうかもしれないです」



「そう……彩花ちゃんは、好きな人はいるの?」



唐突に聞かれ、ビックリしたけど…あたしはついしゃべってしまった。