「もしもし、彩花ちゃん?」


「はいっ!初めまして…あれっ、そうじゃないですよね。二度目…あっ、だけど電話では初めて…」


緊張しすぎで、自分でもなにを言ってるのか、わけがわかんない。


戸惑ってると、松本さんのお母さんがクスクスと笑いだした。


「彩花ちゃん、娘の心配をしてくれてありがとう。今日はもう寝たんだけど、明日の朝電話させようか?」



「ええっ!?いえ…いいんです…あの、それより長期休暇って…なんでまた急に」



「実はね…彩花ちゃんのおかげなの」


えっ!あたしのおかげ!?


っていうか、あたしが原因を作ったとしたら、あたしのせいってこと?


言葉を失ってると、松本さんのお母さんはそのあとすぐに、こう付け足した。






「彩花ちゃんとお母さんを見習おうと思って」


「見習う!?」


「そう。前にお母さんとお店に来てくれたでしょ?ああいう親子になりたいって、ずっと憧れてたの」


「ええっ、そんな!ウチなんて、全然。めったに一緒に買い物とか行かないし、あの日はたまたまで」


松本さんみたく、お母さんに恋愛の話をするなんて、とんでもないんだよ!?