そりゃ、突き飛ばしたけどな?



口が切れたのは、地面で顔打ったからじゃねーの?



殴ってねぇし……。



しかも、そこまでフラつくほど強く押したつもりもない。



コイツ……一体なに企んでる……?



「大丈夫です……とりあえず、先生を呼んで来てもらえますか?

俺たちだけで解決できる問題じゃなさそーなんで……」




……はぁ!?



ちょっと待て……先生とか呼ばれたら、話がややこしくなる。



「おい、朝野…お前なに言って……」



「先輩たちが証人ですよね……俺が殴られるとこ、見ましたよね?」



朝野の言葉に、3年も顔を合わせてる。



「見てはないけど……あの叫び方は尋常じゃなかったよな……。

おい、とりあえず呼んで来ようか。話はそれからだ」



3年生のひとりがそう言い残して、職員室へと走っていく。



先生に言うって……なんだよ、お前小学生かよ!!



ムカついたけど、突き飛ばしてコケさせたのは事実だし……ここで反論しても、ムダな気がして。



俺は朝野とは一度も目を合わせることなく、ひとまず先生がくるのを待った。