朝野の叫び声を聞きつけて、校舎の向こう側を歩いてる生徒がコッチに気付いた。



「おいっ……お前、そこでなにやってる?」



ヤベ……3年だ。



条件反射で思わず逃げようとしたら、走ってきた3年にその場で取り押さえられた。



逃げようともがく俺の上に馬乗りになった3年が、ドスのきいた声を響かせる。




「いいから、大人しくしろ」




「俺は無実だーーーーーっ」




「なにが無実だぁ?おい、そいつ大丈夫なのか?」



3年のうちのもうひとりが、朝野を介抱してる。










「口が切れてるだけで、あとは手がすりむけてるとかそんなかな……大丈夫か?立てるか?」



朝野は3年の肩を借りて、ぐったりとしながらなんとか立ちあがる。