―まあ、今回もお手柄だったぜ、蓋翁よ。
《言われるまでもないわい》
―どうでい、今度はちょいと奮発して、卵焼きでも食いにいかねえか。
《うまいのか、それは》
―そりゃあうめえさ。少なくとも粥よりはな。
《主は喰いづめの時に粥ばかり喰い過ぎなのだ》
「はっはっはっは」
七衛門が高らかに笑った。
《くっくっく・・・》
朧蓋翁は、もう喰いづめるでないぞとばかりに、歯を剥いて笑うのだった。
道行く人の一人が、ふと彼らのほうを振り向いた。
-終わり-
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