昔、誰かが言っていた。
恋は孤独を感じるものだって。

恋をしたら、
今までの変わりばえしない風景や生活でさえ、明るく見えたり、感動的に映るけれど。 
 
それは単にはじまりで。

もうひとつ。
知らない間に
心に置き土産を残している。
 
会えないと寂しい。
「キミ」がいないと寂しい。
たとえ、周りに大勢の人がいても
寂しいとそう感じるのだ。
 
それを孤独と呼び
人はそれを嫌って生きている。
 
心は常に大好きな
「あの人」を求めているんだって。
 
大人たちは言うだろう
ボクのそれは恋じゃないって。
 
はっきりと感じる気持ちなのに
まるで
本当はそこには存在しない気持ちのように
吹き消してゆく。
 
この頃より
少しだけ大きくなったとき、
 
淡い心を守る術を知らないボクは
誰にも勘付かれないように
その気持ちをひた隠しにした。
 
誰かに見つかると
姿を消されてしまうようなそんな気がして。
 
きっと子どもだったから
それ以外にはボクらが
結ばれる方法が思いつかなかったんだ。