**** ユイと俺は恋人だった。 付き合っていた、いや付き合っている状態のままなのかも知れない。 「ユイ、今でもお前は夢に出てくるんだな」 変わらない声で、笑顔で、好きだと囁いて夢に消えていく。 そんなのまるで桃源郷じゃないか。 儚さを持ったまま、ユイという存在を捨てきれず俺はハルとつきあっている。 最近では、ユイがずっと夢に出てくる。 悲しそうに微笑んで、俺を見ている。 「……こんなにも、好きなのになっ……」 震える身体を抱きしめて、暗くなった部屋で1人うずくまっている。