『は?あんな数学の点数で拒否権があるとでも?』




黒い笑顔を浮かべる母。



確かに数学のことを言われると何も言えない。




『大丈夫!数学の授業だけしかとってないから!!…でも、今度の模試で数学の点数が60点いかなかったら…これからも塾通いになるかもね??…まぁ、頑張って〜』




ヒラヒラと手を振りながらリビングを後にする母に私は口をパクパクさせた。




『嘘でしょ…』




冬期講習ならまだしもこれからも塾通いとか絶対、無理…。




遊ぶ時間もなくなるじゃない!




『お母さんの鬼!』




気が付くと、私は母が出ていった扉に向かって思い切り叫んでいた。