『あのさ…』



突然、太一くんが口を開いた。




『ん?…何?』




そんなそっけない返事をした割には私の心臓はドキドキと、高鳴る。




『柚子が暇なら…明日一緒にどっか行かないか?』







ドキン




太一くんの真剣な表情に思わず、目を見開いた私。





『…う、うん…太一くんが私でいいなら、…明日暇だし』






『…勉強のお礼させてよ』




あぁ、なんだそういうことね…




『そんなのお互いさまだって』




と、表面では笑っていた私だが、内心少し残念な気持ちでいっぱいだった。