時は数時間前に遡る…。
――――
『柚子ちゃん!はい!!』
今日は、冬休み1日目。
朝、起きてきたばかりの私に母・由里はニコニコしながら手を差し出してきた。
…?
当然のことながら首を傾げる私。
『だから!通知表よ!通知表!』
ほらっ、そう言って手を差し出す母に私はため息をつきながらも通知表を渡した。
『どれどれ…?』
最初は、ニコニコしながら通知表を眺めていた母だったが、徐々に険しい顔になってくる。
『…柚子…なんであんたはこんなに理系教科ができないのよ…』
そう言って、呆れたように私を見つめた。
『うっ…いいじゃない、私、文系なんだし!それに文系教科は国語も古典も世界史も日本史も英語だって1番なんだから!』
『でも…あんた…できないにも限度があるわよ…?生物以外…数学も化学も赤点じゃない!』
うっ…それを言われると…
私は母から目をそらしながら通知表を奪い返した。