『柚子、おはよ』 『太一くん!おはよ』 2、3日もすると、お互い名前で呼び合うようになった。 『聞いて!昨日ね、太一くんに教えてもらったところが塾の授業で出たんだけど、きちんと解けたんだ!太一くんのおかげだよ、ありがとう』 そう言って、私はニコッと微笑んだ。 『そうか、ならよかった。オレも柚子のおかげで、だいぶ読めるようになったよ、線引きの大切さ、よくわかったし』 太一くんもそう言って微笑み返してくれる。