そんな彼が目の前にいるのだから驚いて固まってしまうのも無理はない。





…にしても理系でトップの如月くんがなぜに塾に?





そんな疑問が脳裏をよぎった。




その時、





『あのさ、さっきから人のことジロジロ見てるけど、なんか用でもあんの?』




如月くんにそう言われてはっと我にかえる私。






『ご、ごめんなさい…特に深い意味はないんで…ただ、どこかで見たことあるなって思って…たしか同じ学校の如月くんだよね?私、文系クラスのっ…』




そこまで言った私の口は如月くんの手によって塞がれる。




ちょっ…なに!?




私は、バクバクと高鳴る心臓を押さえながら心の中でそう怒鳴った。