「違いますよ」
「へぇ?」
間髪入れずに、動揺することもなくレンは堂本さんにそう言い切っていた。
それがなんだか私には切なくて、私は何も言わずに俯き黙ったまま。
堂本さんはレンとそんな会話しながらもチビを抱えて離さずに目線はチビへと向けていた。
「・・・・・あの」
そのまま沈黙が続いていたから勇気を出して私がレンに向かって声を掛けた。
するとレンはその私の言葉に後を押された様に口を開いた。
「・・・この人は堂本さん。店の・・・オーナーって言えばわかりやすいか」
「え…え?えぇ?!こんな若くてカッコいい人が?!」
「おいレン…いい子じゃねぇか」
それはお世辞とかじゃなくて本音だった。
ちょっと近寄りがたい雰囲気はあるけれど、容姿もいいし、どうみてもまだ30代前半・・・
そんな私の心の声は実際に口から出てて、それを聞いた堂本さんはニヤッと満足そうな顔でレンにそう言ってた。



