「お、電話か?んじゃ、ま、心配するな」 堂本さんはそう言って私に車から降りるような流れにすると、そのまま走り去ってしまった。 そして未だに鳴り響く電話。 こんなタイミングに…! そう小さく不満を胸にカバンから携帯を探し出す。 いや…でも、もしかしたら――― 電話の主に一褸の希望を持ち、ディスプレイを確認する。 「えっ!!!」 そのディスプレイに出た文字を見てつい声が漏れてしまう。 そして恐る恐ると耳に携帯を充てた。