「何したのッ……」
「ナニって…言っていいの?」


私の目の前に立つ男は余裕風を吹かしている。


「じょ、冗談でしょ…」
「さあ?自分の体に聞いたら?由麻チャン」


信じたくない現実。
だけど、身体中に痛みが残っていて、心なしか下腹部辺りにも響くような…

手を震わせて開いたブラウスを抑えると、マサキは埃の舞う横のソファに浅く腰を掛けた。


「レンの反応が楽しみだなぁ?」


くくっと笑うマサキに私は上手く反応出来ない。


「ああ。レンなら、“私が何されても大丈夫”なんじゃなかった?だったら何も心配いらねぇよなぁ」


確かに…
私なんかが何されたって、別に私はレンの何でもないんだから。

ここで負けたらマサキの思うツボだ。


「…そう。別になんてことない。こんなことしか出来ないあなたなんかにいつまでもレンに敵う筈がないのよ」
「てめ…」
「それが証明されているんでしょう?“№2のマサキさん”」
「…っ」


マサキは顔を歪ませて目の前で拳を握り締めた。


「一体、何があなたをそこまでさせてるの―――?」