「オレが興味あるのは、お前だよレン―――」


マサキの鋭い視線に俺は不覚にも一瞬言葉を失った。


「マサキ!1番でお前を待ってるぞ!」


その時忙しそうにウエイターがそう言って去っていくと、マサキは俺に近づき小さな声で言った。


「ムカツクんだよ、レン」
「……」
「だからお前がオレの前に膝まづく方法を―――」


そういって由麻の席をちらりと見てニヤリと笑うとマサキは去って行った。


「…っ由麻!」


俺が血相を変えて由麻の待つテーブルに着くとヘルプでついていた他のホストがただならぬ空気を察してその場を去った。


「お前!俺が昨日言ったこと忘れたのか?!」
「…レンこそ私が言ったこと忘れちゃったの?」
「は?」
「―――“お客なら文句ないでしょ”って言った筈だよ?」
「それはッ……」


声が自然と大きくなる俺にちらほらと視線を向けられてしまい、俺はひとつ息を吐いて、静かに由麻の横に座った。


「―――レン、ちゃんと見て。私を、見て」