「さすがツートップのレンとマサキ。独走だな」


おれはいつものように給料を渡した後レンと落ち合う。


「マサキは俺を引き摺り降ろしたがってますから」


相変わらずこういうときは無表情だな、レンは。


「それでもお前は今月もトップだぞ」
「・・・俺には堂本さんへの恩返ししかないんですよ」
「…もう十分返して貰ってるよ」


レンはなにかあるとすぐに俯く癖がある。

それは褒めても、怒っても。


「だから、いつでも自由になっていいんだからな」


―――背中を押してやっても。