妖将棋 <十二神獣と朱眼狼>



辺りを見回すが妖力が感じられない。

(妖力が消せれるのか?)

また稲妻が遥の目の前に落ち、慌てて後ずさる。

「どこだ! 出てこい!!」

「僕がでたら、攻撃するでしよ?」

眈々と発する言葉に、遥は少し苛立った。

ここは多摩の心の空間。へたに力を解放したら傷がついて壊れてしまう。

「ねぇ。僕達の邪魔しないでよ。僕は昔のように、兄さんと共に静かに暮らしたいだけなんだ」

「何が静かにだ! 多摩さんにこんな事して何企んでやがる⁉︎」

辺りを見回しながら叫ぶと、またその声は響くように聞こえてくる。

「これは彼女が決めた事だよ。僕はきっかけを与えただけ。人間って、強そうに見えて、意外と脆いんだね?」

いけしゃあしゃあと言ってくれる声の主に、遥は更に苛立つ。

 霊符を取り出し、ふぅっと息を吹きかけて五芒星の印を描く。

「我が言の葉は禁を破りて魔を滅す!
我が息吹は空を震わせ狭間を開く!
 心界領域解放!!」

 鋭い音を立てながら五芒星が光り輝き、弾け、その小さく弾けた光の粒が辺りに散らばり、混沌の闇を吹き消した。

「うわっ・・・!」

 声の主はその一瞬の光に目を眩ませ、目を覆った。