妖将棋 <十二神獣と朱眼狼>




 「これ、万年筆のペン先じゃないか?」

 龍二も目を凝らして見ると、遥が言った通り、ペン先が無数に当たってきている。

「ホントだ。でも何でペン先?」

 困惑気味の二人をよそに、先ほどの泥沼が上空まで伸び上がる。

 すっぽりと盾に吸い付くように覆われ、二人は暗闇の中に入ったような感じになった。

 それを見上げるように、一人の女子生徒が立っている。

 スッと筆を横一線に書けば、黒い球体となっていた玄武の盾が、いともあっさりと真っ二つに割れ、二人は驚いて空に投げ出された。

浮遊を使い、下を見下ろせば、そこには見慣れた女生徒がいた。

『多摩さん!?』

同時に声を上げたのも束の間、多摩は奇怪な笑い声と共に、自分の周りに無数のペン先を出現させて遥達目掛けて撃ち放つ。

二人は左右に分かれ、短剣でペン先を薙ぎ払いながらどうするか考えた。