今日の高橋君は、最初から怖かったのだ…だから更に無口になっていたのだろう。



なんといっても、九州力は、現役レスラーの中では最大のスターだし実力者でもある。



歳は取ってもスターなのだ。



ひびってしまうのも分かる気がした。




私は高橋君を抱き締めて大丈夫と言ってやりたっかったが、全く逆の行動をとってしまった。



高橋君の頬を思いきり張ったのだ。



「ひびってんじゃないよ!!皆必死にやってんてだよ!!あんたの生きる道はプロレスでしょう!!

おっさん連中があんだけの試合をやってんのにひびってるなんてアホ!!

気合い入れて行けよ!!九州力を叩きのめして来いよ!!」




高橋君は、驚いた顔をしていたが白かった顔色が、だんだん赤くなっていった。