スポーツ新聞は対戦カードの予想やアントンと九州力の確執をなりの頻度で書き立てた。



山尾がインタビューに答えてるのには、驚いた。


「アントンもすげえプロレスラーだったが、プロデューサーとしちゃ三流なんだから九州力に任せりゃいいんだ。

まぁ、俺達は、アントンが、どんな手を使っても勝つから気にしないけどな。

アントンは、はっきり言ってプロレス界にもう必要ないんだよ。

本人分かってないから困るな。」



そう言い放っていた。


アントンに、ここまで真正面から言って良いのだろうか少し心配になる。


山尾は、今回に賭けているのだろうが、若い私は、まだまだ沢山やりたい事があったので怖くなる。



しかし、私達も大会の日が、近づくにつれて気合いと殺気のような物が、皆を包み始めていた。


高橋君は、道場に寝泊まりするようになっていたし、他のメンバーも練習の量は半端ではなかった。


私も、やりたい事は、まだまだ沢山あったが、この異様な雰囲気にの中で自分自身の限界を更に超える練習をしていた。