心日本プロレスが興業する時には、この男のお金をかなりの部分で頼りにしてるとの噂だった。
しかし、そういう面で威張ったりは、無かったしやはり、山尾には、頭が上がらなかった。
私は、まだ観てないが、この男は、リングに上がるとひたすらヘッドバッドしかしないらしい。
必殺アフロバッドだそうだが、試合時間は三分から長くて五分ひたすらヘッドバッドを繰り返し相手も自分自身も血塗れになって大抵両者ノックダウンで終わるらしかった。
試合時間が、短いのは、本人の体力の問題もあるが、観客が飽きるからだそうだ。
ミスター金は、血塗れになるが、それも演出だからと前に私に小さい剃刀の刃を見せながら笑った。
プロレスがショーである事くらい分かっていたが、入ったばかりの私に言わなくても良いのにと思った。
高橋君は、ミスター金のその話しを暗い顔をしながら聞いていた。
高橋君は、最高で最強のプロレスラーを目指していると何度か言っていた為ショーの話しを笑いながら話されるのが嫌なようだった。