「....ここっ。」
私たちの目の前に広がるのは見たことのない大きな森。
「あ〜。向こうの方に町があるねぇ。」
光は森の奥の方をまじまじと見つめている。
「あの子可愛いなぁ。」
「真面目にやれ。」
バシッ
千里眼の能力で女の子を見てたであろう光の頭を叩く蓮。
「いった〜い。」
叩かれた光はと言うとダルそうにへらへら笑いながら頭を抱えている。
コイツには緊張感と言うものはないのだろうか?
よくこんな状況で普段通りにできるものだ。
ギュッ
「華恋、もしかしてここ....。」
凛妃は不安そうに呟いて私の腕に抱きつく。
「うん。ここは...」
私が見た図書室の記憶。
その記憶が正しいのであればここは....
「あの本の世界。」
行方不明の生徒たちは多分ここに迷い混んでいる。