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 また単調な感じで二日が経ち、俺も藤井を乗せていた。


 毎日午前九時には自宅前に車を横付けし、乗せてから、都内のいろんな場所へと行く。


 挨拶回りをしたいらしい。


 去年の総選挙で小選挙区では落選し、辛うじて比例で通ったからだ。


 俺も藤井がすでに次の選挙を見据えて、政治家としての活動を始めていることが分かっていた。


 次は小選挙区で当選ということが念頭にあるのだろう。


 だが、この男は政治の世界を舐めきっている。


 岩原と選挙のためだけに新党を作り、それが空中分解したら、社自党に復党するという。


 実に都合のいい話だ。


 俺も藤井の事はいずれ見放す気でいたのだし、実際、政治家のお抱え運転手をやって長いので、そろそろこの世界から足を洗う気でいた。


 まあ、もちろん新しい仕事をするのに、その職場で新たな人間関係が出来るのは分かっていたのだが……。