夢から覚めた瞬間、パチパチと何かがはぜる音が シアンの耳に届いた。 同時に焦げ臭いツンとしたニオイも鼻をつく。 シアンは倒れた場所でそのまま横たわっていたらしく 状況がまったく掴めなかった。 すぐに立ち上がり、ニオイのする方へ向かう。 嫌な予感は、していた。 煤のまじった黒い煙が森の中心からあがっていて、 赤い何かが見えた。 信じたくない。見たくない…! けれどその光景は無惨にもシアンの目の前に広がった。 長年、自分たちが暮らしてきた森が燃えていたー…