夏の月夜と狐のいろ。



シアンは少しどきどきしながらも平静をよそおってリリィのリリィの傍に立っていた。


ナノは先ほどから一言も話さずぴたりと横についてくる。

リリィはちらっともう一度横目でこちらを見て、それから懺悔室の中で手をくんで、懺悔をはじめた。


アザリアが、それをきくために同じように胸の前で手をくんで頷く。


「神よ、私の罪を聞き、そしてそれをお許しください・・・」


リリィが、懺悔の言葉を口にした。


「ひとつ、私は大切な人の大切な人を守る事ができませんでした」


アザリアが頷く。


「ふたつ、私たちは友の犠牲を無駄にすることになるかもしれません」


また、アザリアが頷く。


「みっつ・・・最後に。私たちは今から神聖な場所で-・・・・

その聖地をあらすことになるでしょう!」




そう、リリィが強く言い終わった瞬間。

シアンはすばやく変化をといて狐の姿になり、リリィはばっとアザリアに飛び掛った。


アザリアはすばやく反応して逃げるが、間に合わずリリィに足をつかまれてしまった。


「不意打ち、あなたたちだったとは」


アザリアはそう言ってくやしそうに赤い瞳を揺らす。


リリィはにっと笑った。


「注意しなかったあなたが悪いんですよ!」



リリィはそう叫ぶとアザリアの足にしがみついたまま、身体にバリバリと電気をまとった。


辺りが、青白く輝く。


その光がやんだとき、アザリアは懺悔室の床に倒れこんで苦しげにうめいていた。


リリィはすばやくぱりぱりと電気の残る床に降り立ち、シアンのほうをみた。