夏の月夜と狐のいろ。



そのあとナノのローブも変化させると、シアン達はゆっくりと町の入り口へと向かった。


こちらに気がついた門番が、警戒して見つめてくる。

けれど、シアンたちの格好を見るとすこし警戒をといたようだった。


ここは教会に支配されている町。
教会のもとに暮らす修道女を警戒するものはいない。



「何のようだ」


シアンたちが前までくると、門番が訊ねた。


リリィがこっちにめくばせして、すっと前に出て礼儀正しくお辞儀して、
胸の前で手を組んだ。


さすがリリィだわ。色々知ってるのね。


リリィはシアンよりも長生きで、こういった情報をよく知っている。

ここはリリィにまかせるのがいいだろう。



リリィは、ヴェールをふわっとゆらし、胸の前で組んだ手に十字架をそえてもう一度お辞儀をした。



「私は旅の者です。あちこちの教会を周り、お祈りをさせていただきたくここへ来ました。」


そして、目を閉じリリィは後ろに下がった。


すると、門番達は頷き、道をあけた。



「怪しいものではないようだな。通るがいい」



リリィは頷き、「貴方方にも神々のご加護があらんことを」と言って前へと丁寧な足取りで進んでいく。



シアンたちもそれに習って門をくぐった。