夏の月夜と狐のいろ。



シアンはいつか二人の口からお互いを大切に思っている理由がきければいいな、と思った。


不意に、にこにこしていたナノが少し真剣な表情になって小さく頷き始めた。

レオンと会話しているらしい。


「レオンが、教会に入りやすいように修道女の格好をしたほうがいいのでは、と」


ナノは不思議そうに首を傾げながら、言う。
目にも不思議そうな色がうかんでいるので、たぶん知らないのだろう。


シアンは頷き、説明してあげる事にした。


「いいね、それ!簡単にいうと・・・
修道女って言うのは祈りをささげて教会で規律を守って暮らしているひとのことよ。」


シアンが説明すると、ナノはなるほど、と頷いた。



自分で言っていてよくわからないのだが、ニュアンスは伝わったらしい。


シアンは満足にしっぽをぞろぞろと揺らす。そして準備に取り掛かった。


化けるにはイメージが必要だ。


シアンはゆっくりと目を閉じ、まずは自分のローブにそっとふれた。


するとふれた白いローブの先がふわりと輝き、シアンがイメージを送り込むとともにさらさらとそれは修道女のまとうヴェールへと姿を変えた。


真っ白いローブだ。



横では同じようにして赤茶色のローブを、ヴェールへと変化させおわったリリィが待機している。