夏の月夜と狐のいろ。



「っ、う・・・!?」


はっと目を覚ますと、リリィの琥珀色の瞳と目が合った。


リリィはひどくうろたえた様子でこちらを見ていて、琥珀色の瞳には不安が浮かんでいた。


『シアン様・・・!?大丈夫ですか・・・!?』


シアンはそれに答えることなくリリィを抱きしめた。

驚いたようにリリィのしっぽが膨らんだけれど、シアンは何も言わなかった。



ただ、つよく抱きしめる。

トクトクと小さな心音とぬくもりが伝わってきて、リリィが生きていることを教えてくれた。


仲間は、いなくなってしまった。


でもこうしてリリィとはまた会えたのだ。きっとノエルとも、また・・・・。



シアンはリリィを離して、ゆっくりその背中を撫でた。


リリィはちらちらとこちらを不安げに見ていたが、シアンが落ち着いてきた事を悟ったらしく、安心したようにしっぽを振る。



シアンはぽつりと言葉をもらした。



「ノエルが、森のみんながいなくなっちゃう夢をみたわ。
お願いだからリリィは私の傍にいてね・・・・」