夏の月夜と狐のいろ。



『シアン様!?』

リリィの声にはっとしたとき
その事実にくらくらして、シアンはよろめきかけていたらしいことに気がつく。

それを、ぱしっとレオンが受け止めてくれた。


「ありが…」

途中までいい、シアンは黙ってレオンを見上げた。


レオンはじろりとクロの背中を睨み付け、そして唸るように言う。



「…何故裏切った?自分が何をしたのかわかっているのか?」


するとクロはくるりと振り向いて、冷たい声で言った。



「人間と馴れ合っているやつらといてもシロは助け出せない…!」


クロの瞳が一瞬怒りに満ちて光り、それきりこっちを見ずにアザリアの横に俯いて並んだ。