夏の月夜と狐のいろ。



「クロ…?」

シアンが呆然として呟くと、クロは神父のほうへ歩き出し
そしてこちらを振り向いた 。


その瞳には、苦しげな表情と悲しげな表情が浮かんでいる。



そして、小さく言った。




「別に僕はお前たちが嫌いじゃない。
人間ともう馴れ合わないというのなら、これからもお前たちと旅を続けたい。」



クロが、じっとシアンを見つめる。



シアンはふらっと一歩後ろに下がって
ノエルとクロを交互に見た。


どうしてクロはそこまで…?


シアンの中に疑問がうずまき、気がつくと震える声で返事をしていた。



「…っ、みんな一緒じゃだめ…なの……?」




シアンのその言葉をきいた瞬間、クロの瞳が曇った。

そして神父に向き直る。


「…もういい。お前たちの好きにしろ。」



神父は嬉しそうな顔をし、クロは黙ってアザリアの方へ歩きだした。









クロが、私たちを裏切ったー…!