プロローグ 狐の庭で、ひとりぼっち。 焼け焦げた森のあった場所で私は待った。 さみしくて、つらい。 仲間はどこにいってしまったのだろう? 待ち求めている相手は無事なのだろうか? 自分の黒い毛皮をそっと傍に引き寄せる。 さみしいです―・・・ あなたはいまどこにおられるのですか? 黒い狐が、闇の中で小さく鳴いた。