彼の肩越しに、お兄さんの姿が見える。
もうすぐそこまで近づいている。
「お願いだから逃げて! 逃げて!」
門川君・・・あなただけは生きなければならない。
なにを犠牲にしても。
あたしの命を引き換えにしても。
それを受け入れて、生き続けなければならない。
ここであなたが死ぬ事は許されない。そんな事はあたしが・・・
「あたしが許さない!」
渾身の力を込めて、あたしは彼の頬を平手打ちした。
パ―ンと大きな音がして、門川君の体がよろめく。
あたしは彼の腕と襟をつかみ、自分の体ごと彼を畳に思い切り投げ倒した。
激痛が走り、胸に生ぐさい臭いが込み上げる。
たまらずに吐いた。
派手な音と共に倒れた彼の体に、あたしの赤い血が散った。
口元を腕でぬぐい、よろめきながらあたしは立ち上がる。
門川君・・・約束だったね。
あなたが間違った選択をしたら、引っ叩いてでも止めてみせるって。
約束、守ったからね。
次はあなたが・・・皆と自分自身との誓いを守って。
あたしは、残る力の全てでお兄さんに飛び掛ろうとした。
最期に・・・滅火の力を・・・!
この命の炎の全てで彼を守りきる!
じー様! 天内の英霊達!
どうかあたしに力を・・・!
世界を守る一族の誇りにかけて、あたしに成すべき事を成させて下さい!!
もうすぐそこまで近づいている。
「お願いだから逃げて! 逃げて!」
門川君・・・あなただけは生きなければならない。
なにを犠牲にしても。
あたしの命を引き換えにしても。
それを受け入れて、生き続けなければならない。
ここであなたが死ぬ事は許されない。そんな事はあたしが・・・
「あたしが許さない!」
渾身の力を込めて、あたしは彼の頬を平手打ちした。
パ―ンと大きな音がして、門川君の体がよろめく。
あたしは彼の腕と襟をつかみ、自分の体ごと彼を畳に思い切り投げ倒した。
激痛が走り、胸に生ぐさい臭いが込み上げる。
たまらずに吐いた。
派手な音と共に倒れた彼の体に、あたしの赤い血が散った。
口元を腕でぬぐい、よろめきながらあたしは立ち上がる。
門川君・・・約束だったね。
あなたが間違った選択をしたら、引っ叩いてでも止めてみせるって。
約束、守ったからね。
次はあなたが・・・皆と自分自身との誓いを守って。
あたしは、残る力の全てでお兄さんに飛び掛ろうとした。
最期に・・・滅火の力を・・・!
この命の炎の全てで彼を守りきる!
じー様! 天内の英霊達!
どうかあたしに力を・・・!
世界を守る一族の誇りにかけて、あたしに成すべき事を成させて下さい!!


