神様修行はじめます! 其の二

「そうだ。しま子に術をかけたからといって、それ以外の全てが偽者に変わったりはしないよ」

「・・・・・」

「しま子と築き上げた絆は真実。だから僕らは仲間だ」

「・・・・・・・」

「そんな事、分かりきっている事だろう」


で・・・も・・・。


本来であれば、あたし達は仲間にはなり得なかった。

それをあたしが無理やり変えてしまった。

それだって間違いの無い真実だよ。


それが分かっていながら、このまま無視を決め込むなんて・・・。


せっかく仲間の元へ帰れるのに。

その機会が訪れたのに。

本来の場所へ帰るのが、幸せなんじゃないの?

それがしま子のためになるんじゃないの?


「帰りたいならさっさと帰るだろう。帰らないのはそれを望まないからだ」

「でも・・・」

「しま子が何を望み、何を成すかはしま子にしか決められない」

「・・・・・」

「たとえ君でも。それはしま子にとって決して譲れないんだよ」


自分の道は・・・自分でしか決められない。

だからこそ重荷を背負っても、生きていける。

他人が決定する事は出来ない。


「でも、それがしま子にとって幸せなの?」

「君は?」

「え?」

「君は僕と共に生きる事を選んで、幸せか?」

「それは・・・」


あたしは力強く、彼に向かってうなづいた。

だってあたしは幸せだから。