「小娘、余計な事を考えるでない」

「でも・・・」

「でも、は無い。この期に及んでの迷いは死を招くぞ」

「迷ってるわけじゃ・・・」

「不安は迷いに繋がる。皆、自分が成すべき事を成せばよい」

「・・・・・」

「小娘は永久を守れ」


・・・・・うん。


そうだよね。絹糸の言う通りだ。

平常心が一番だって、さっき自分で言っておいてこのザマだ。

しっかり覚悟は決めてるつもりだったけど、ダメだな。

いざとなると、いろんな事が頭にムクムク浮かんでくる。


こんなの全部、雑念でしかない。

雑念退散っ!!


あたしは、お相撲さんみたいに両手で頬をパンパン叩いた。

集中集中、気力気力!

あと、適度なリラックス!



あたしがするべき事は、ただひとつ。

門川君を守ること。

シンプルでいいやね。単純明快だ。

余計な雑念なんて入る余地なしっ。



抜け道の出口が見えてきた。

さぁ、着いた。


これから一仕事だ。前代未聞の大仕事。

あたし達全員が力をあわせて、成し遂げる大仕事だ!