自分の弟を守ろうって気があるの?
あるんなら、とっくに動いててもいいはずだ。
だって「処刑宣告」って話までになっちゃったのに。
なのに、鬼ババの影に隠れて、なんの働きかけもしようとしてない。
たぶん、お兄さんは奥方の言いなりなんだ。
母親に逆らえない、典型的なマザコンタイプだ。きっと。
お兄さんが悪いっていうよりも・・・。
あの女の子どもに生まれてきてしまった、身の不運だと思う。
虐待されてる子ほど、親に逆らえないで従順だっていうし。
ひょっとしたら、心配して心を痛めてるのかもしれない。
でもだからといって、何か行動を起こす事もできない。
そんなヘタレ君な状態な気がする。
「穏やかな気性なだけに、望みは薄いぞ」
絹糸が、あたしの考えと同じ事を言った。
「兄上は本当にお優しいお方だった・・・」
門川君はそれに答えず、独り言のようにつぶやいた。
ぼんやりと、目の前の紅茶の湯気を見つめ続ける。
まるで、その向こうにお兄さんがいるかのように。
思い出を噛み締めているように。
「弟思いのお方だった・・・」
あるんなら、とっくに動いててもいいはずだ。
だって「処刑宣告」って話までになっちゃったのに。
なのに、鬼ババの影に隠れて、なんの働きかけもしようとしてない。
たぶん、お兄さんは奥方の言いなりなんだ。
母親に逆らえない、典型的なマザコンタイプだ。きっと。
お兄さんが悪いっていうよりも・・・。
あの女の子どもに生まれてきてしまった、身の不運だと思う。
虐待されてる子ほど、親に逆らえないで従順だっていうし。
ひょっとしたら、心配して心を痛めてるのかもしれない。
でもだからといって、何か行動を起こす事もできない。
そんなヘタレ君な状態な気がする。
「穏やかな気性なだけに、望みは薄いぞ」
絹糸が、あたしの考えと同じ事を言った。
「兄上は本当にお優しいお方だった・・・」
門川君はそれに答えず、独り言のようにつぶやいた。
ぼんやりと、目の前の紅茶の湯気を見つめ続ける。
まるで、その向こうにお兄さんがいるかのように。
思い出を噛み締めているように。
「弟思いのお方だった・・・」


