この変わりようって何!?

やっぱり権田原一族って変身できるの!?


口をパッカリ開けて目を丸くしているあたしに、お岩さんが説明した。


「あれがセバスチャンの本性ですの」


「本、性?」


「子どもの頃から、やたらと血の気が多くて」


「はぁ・・・・・」


「だいぶ落ち着きましたけど、怒るとダメね。押さえが利きませんのよ」


お岩さんは小さく息をつく。


「ここら一帯、壊滅状態になりますわ。天内さん、お気をつけあそばしてね」


あ、あそばしてって言われましても・・・。


男は、鋭い視線を跳ね退けるように笑った。


「これはいい! どうやって殺すつもりだ?」


セバスチャンさんは、人差し指を男に向かってスッと伸ばす。


「我ら権田原一族は、ずっと戦うこと無く生き抜いてきた」


「その通り。お前らは先祖代々、腰抜けの一族よ!」


「だがな・・・」


セバスチャンさんの目が、ギラリと光った。


「戦う術を持っていないわけじゃねぇんだよ」


彼の指先が、勢い良く頭上に掲げられた。