神様修行はじめます! 其の二

暴力的なまでの火の威力を前に、この程度で太刀打ちできるか心細い。


でも門川君の冷気のお陰で、なんとか大丈夫そうだ。


そうじゃなかったら、今頃ノドが焼けている。


火を避けながら、あたしはさっきの宴会場にたどり着いた。


その中に、門川の刺客達の姿を見つけた。

慌てて身を潜める。


そっと陰から中の様子を伺った。


大勢の権田原一族の人達が、血を流し倒れている。


その中央に、門川の刺客達が、円陣を組んで座り込んでいた。


10人ほどの円陣。

その周りを、槍を持った者が大勢、護衛するように立っている。


円陣を包むような、強烈な白い輝き。

両手で組まれる印。

術を発動しているんだ。


この人達が、この屋敷を燃やしている張本人だ!


10人がかりの術を、門川君が、どこかでなんとか押さえ込んでいる。

たったひとりで。


そう長くは持たない。きっと。


この連中の術の発動を止めないと!